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闇にのまれたかのように暗く静かな夜。
一人の男と二人の男が向かい合っていた。三人の表情は静かな夜には似合わないような荒々しいものだった。
一人の男は獲物を目の前にした肉食獣のような顔をしていた。
二人の男は一人は緊張で顔が強張っており、一人は恐怖に顔がひきつっていた。
「私は犯人ではない!」
恐怖に顔をひきつらせた男が叫ぶかのように言った。
その声は暗く静かな闇の中に大きく響き渡り、吸い込まれるように消えていった。
消えていった叫ぶかのような男の言葉を、肉食獣のような顔をしていた男が鼻で笑いとばした。
男の必死な声を全く信じてはいないようだ。
「ハッ、テメー以外に犯人がいるかよ。嘘ついてんじゃねーよ!」
低く迫力のある声が響いた。
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