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あれは、教主が来城した日――。
絵理は久しぶりに、夢を見た。
『お姉ちゃん』
『絵理』
自分を呼ぶ、聞きなれた声。
目を覚ませば、見慣れた大好きな家族の姿。
異世界に来たのは夢で。
今は、家族で食卓を囲む至福の時……。
『絵理ったら、ご飯中に寝てたの?』
『も~相変わらず、お姉ちゃんはボケてるな~』
呆れたような母の声も。
憎まれ口を叩く妹の声も。
懐かしくて愛しくて……。
――……良かったぁ。
安堵と共に涙が流れた途端。
夢は、醒めた。
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