其ノ二

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そういえば声がしなくなってるな。 まさかどっか行ってないだろうなw 笑いながらカーテンを開けた次の瞬間 いた 窓を挟んですぐ近くに奴がいた 声は発していない 目を見開き、俺を見つめている。 髪は肩にかかるほど伸びていて、口はだらしなく開いている。 体が動かない。 息すらできない。 あーーーーー その叫び声で金縛りが解けたように、カーテンを持つ指が開く。 と同時に、カーテンが閉じた。 息ができない 呼吸の仕方すら忘れ、ただただ後ろに後ずさった。 あれはなんだ?あれはなんだ?あれはなんだ? なんで俺がこんな目に? 助かった・・・のか? 外で新聞配達のバイク音が聞こえる頃、ある家のある部屋で大きな音が2回鳴った。 ガーン ガーン そして街は静かになった。 あの部屋は今もこれからも使われない。
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