第1章・きっかけ

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私が挙動不審になっていると 彼は笑いながら、席を立ち 私を座らせてくれた。 そして その一連を見ていた女性が こちらに向かってこう言った。 「おばさん、次降りるからお座りになって」 彼は首を横に振るが 彼女は立ち上がり 樹一を無理矢理座らせるので お言葉に甘えさせてもらい 私の隣に腰を下ろした。 電車が発車し 1つ目の駅に到着すると 女性は宣言通り 半透明の買い物袋を 両手に下車した。
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