1章

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   御手洗 絢嶺(みたらい あやね)はその状況をどう理解すれば良いのか分からなかった。    隣ではシャーディ・クロンヌが自分の機体の中でムッツリと黙りこくっている。    二人が戦闘不能のシノハラ機を収容するのに戦線から離脱し、数分。    いつタツナミ機大破の報せが入るかヒヤヒヤしながら移動していた。   『ここなら戦線から離れてるし、もう安全だと思うから、二人ともここに置いて行って』   『いや、駄目だな。 了承出来ない。 奴等は人間の常識の尺度で見ちゃいけない。 何かあってからじゃ遅いからな、少し時間はかかっても、確り収容する』   『そんな! それじゃあ立浪くんが……』   『篠原、立浪はそう易々と化物に殺られてしまうほど、ヤワでは無かろうよ。 安心しろとは言わんが、信用はしてやれ』   『シャーディさん……』    そして、短い沈黙。    その時、その報せが入ったのだ。   『全機へ通達、タツナミ機によりJack Beast殲滅を確認。 任務終了直ちに帰還せよ』  
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