プロローグ

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  「着いた。 十年ぐらいぶりかな、東京。 相変わらずゴミゴミしてる」   「正確には十二年ですね。 ゴミゴミしていると言う感想は、同感です」    東京駅から出てきた二人組、一人は背が高く、線の細い男性。    もう一人はきびきびとした動作の、無愛想な少女である。   「君は相変わらず細かいね。 感心するよ」   「私の仕事は鈴堂さん……、隊長を補佐する事ですから、多少細かいのは気にしないで下さい」    男性は苦笑すると、僕がだらしないせいで迷惑をかけるね、と恥ずかしそうに頭をかいてみる。    少女はそれに、特にだらしないと思った事はありません、と素っ気なく答えた。  
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