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「ろくな話をしてないな」
『またアイツか# 』
「結衣ちゃんは才能あるんだからずっと絵をかかなきゃダメだよ」
「ありがと~慎ちゃんだけだよそんな事言ってくれの」
「学校の先生にだって褒められた事ないもん」
「学校は基本だから」
『学校の先生に結衣ちゃんのセンスが分かる訳ないだろ』
思わず言ってしまいそうになった。
「今回のプレゼンが通ったら結衣ちゃんはひっぱりダコになると思うよ」
「そーなの?! 」
「大手エステサロンの広告は業界でも注目してるからめちゃくちゃ有名になるんだよ 」
「ふ~ん・・・」
『有名になってもそれだけで働いていけるのかな』
結衣は他人事のような気のない返事をした。
「俺と仕事するのイヤ ?」
ブン ブン
結衣は大きく首を振った
「イヤな訳ないでしょ 」
「だったらずっと好きな絵を描いてればいいじゃん 」
「だって・・・」
『慎ちゃんに甘えてばかりいられない』
結衣は不安定な自分の居場所に
「本当は慎ちゃんとずっと一緒にいたい」
とは 言わなかった。
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