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『そんな好きなら言って欲しくなかった』
『やっぱり仕事のパートナーなんだ』
結衣は心の中で呟いた。
同じストラップをつけても、酔ったフリで抱きついても、所詮慎ちゃんにとっては仕事の相手でしかないんだ
長い時間一緒にいるうちにいつの間にか好きになっていた。
学校への送り迎え、毎日一緒の食事、お祝いといって開けてくれるワイン。
普段の姿を見せてくれるのも自分にだけ だと思っていた。
慎ちゃんの家にずっといる事が迷惑ではないと言ってくれた時
『全部自分でいいように考えてただけで慎ちゃんにとっては 』
結衣が下向き加減になったのを室井は見逃さなかった。
「・・・・。」
「結衣ちゃん 」
「結衣ちゃんは慎一郎の事好き ?」
室井の言葉にテーブルに座る全員が大きく目を開いて結衣の方を見た。
「・・・・。」
『言ってしまえ!! 』
恵子と紀子は手をグッと握り締めて心の中でエールを送る。
『言ってもいいの?』
結衣のアイコンタクトに
『早くっ』
と2人が言ってる
「好きです 」
「大好きです。」
勘違いと分かっていながら、
笑いな がら言った慎一郎とは違って
結衣は本心で答えた。
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