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結衣を見たまましばらくの間黙って立っていた。
「昨日はゴメンなさい 」
「・・・・。」
慎一郎は何から話したらいいのか、
言いたい事がたくさんあり過ぎて
少しの間 黙っていた
「俺に謝らなくていいよ」
「ただもっと自分を大事にしろよ 」
慎一郎の声のトーンは低く大きな声で怒鳴られるよりキツく聞こえた。
「うん」
「まだ酒が残ってるのか? 」
「うん ちょっと」
「・・・・・ 」
「ここに置いておくから、お腹が空いたら食べればいい」
慎一郎はそう言って自分の部屋に入ってしまった。
『慎ちゃん ゴメンなさい』
もっともっと怒られると思ってた
言われた言葉は「自分を大事にしろ 」って一言だけ。
落ち着いて考えたら記憶がないなんて
慎ちゃんがあきれて当然か・・・・
言葉少なに入ってしまった慎一郎の部屋のドアを見ていた。
しばらくして重たい足を擦るように作業場に戻った。
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