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車の中に戻った慎一郎は結衣の顔を改めて見た。
『・・・・ 』
連れて帰りたいと思ったのを我慢して出てきたのに
何も考えずに助手席にちょこんと座ってる。
『俺を揺さぶるなよ』
慎一郎は思わず結衣を引き寄せた。
「えっ?! 」
「慎ちゃん・・・・? 」
慎一郎は何も言わなかった。
「そんなに心配してくれたの ???」
「本当にごめんね」
抱きしめる慎一郎の腕により一層力がこもる
「何か 会いたかったんだ」
「荷物もなくなって、携帯もつながらなくて本当にあせった」
「慎ちゃん」
結衣は抱きしめられた慎一郎の胸で小さく言った。
慎一郎に「アリガトウ」と言われ諦めようとコンパにまで参加してみたのに
『こんな事されたら 諦められそうにない』
「慎ちゃん」
「私 慎ちゃんの事好きになったらダメ? 」
「・・・・・。」
「どうしてもダメ?」
「慎ちゃんとズッと一緒にいたい。」
「・・・・・。」
抱きしめられた勢いで思わず口から飛び出してしまった。
慎一郎は少しの間だまったまま。
何も答えない代わりに結衣にそっとKissを返した
『ファーストキス』
結衣は唇を押さえて大きく目を見開いたまま身動き一つしなかった。
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