一緒にいる意味。

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大好きな慎一郎からのKiss フリーズしたまま、結衣の目には薄っすらと涙が浮かんでいた。 「泣いてるの?」 涙ぐむ結衣を見て少し焦った。 「だって」 「だって何? 」 「この間慎ちゃんに告ったのに、ありがとうって言って軽く流したでしょ 」 「ごめん 流したんじゃないんだ。」 「俺みたいなおじさんが結衣ちゃんと って思ったら何て答えていいか分からなかったんだ」 「慎ちゃんのバカ 」 「諦めようと頑張ってコンパまで行ったのに」 「だからもう行かないで 」 「うん 行かない 」 初めて見せてくれた慎一郎の心の中。 『慎ちゃんも同じ気持ちでいてくれたんだ と思っていいよね? 』 初めてのKiss 慎ちゃんでよかった 結衣は舞い上がり過ぎてどこかに飛んで行ってしまいそうな気分になった。 「お腹大丈夫? 」 「うん 」 もう少しこのまま余韻に浸っていたかったのに 急に普通に話しかけられて現実に引き戻された 『慎ちゃんにとって何でもない事?』 運転する慎一郎の横顔から目が離せなくてジッと見てしまう 『本当にさっき慎ちゃんとKissしたのかな実は妄想だったりして』 あまりに平然としている慎一郎に思わず疑った。
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