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結衣は先に行く慎一郎の手に手を合わせ
「?」
慎一郎は重ねた手を握り自分のポケットに入れた。
「・・・・・・♪ 」
『本当に彼氏みたい☆』
結衣は思わずスキップしたい気分・・・
助手席に座るいつもの風景でさえ、今日は全然違うように見える。
結衣は車の中でも絶対につないだ手を離そうとはしなかった。
『慎ちゃん 格好いい 』
運転する姿に見とれて舞い上がっている間にマンションの前に着いた。
「ほら 着いたぞ 」
『Boo~早すぎる』
「今日は帰るんだろ」
「うぅ・・・ 」
「じゃ 来るか? 」
「いいです 」
「じゃ 寒いから早く入って」
ふくれっ面のままマンションの方に歩いて行く結衣を、窓に肘をついて見ていた。
『あの歩き方、まだ怒ってる 可愛いな 』
クルッ
結衣がおもむろに振り返って
「何だ?! 」
「 ・・・・・」
『もう少し一緒にいよう とか言ってよ』
振り返った結衣に 「早く入れ」
と手を振った。
「もぉっっっ 」
マンションの入り口まで行っていた結衣が急に走って戻って来た。
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