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考えれば考える程寂しく思えた。
車から降りた結衣は慎一郎よりも前を歩いた。
「慎ちゃん 今日はありがとね。」
引きつった笑顔を作って見せて部屋に入った。
結衣は倒れこむようにベッドに体を投げて
「・・・・。」
寝転んだ目の端から涙が伝って落ちてきた
「好きじゃないなら優しくしなきゃいいのに」
『特別扱いしてくれたかと思って調子に乗ったら、すぐに崖から突き落とされる』
『それの繰り返し』
『何考えてんのか全く分かんない』
後から後から涙が止まらない。
「困った顔をさせてしまったな」
「どうしたらいい?」
黙って部屋に入ってしまった結衣になんて言ってやればいいだろう
慎一郎も頭を抱えていた。
18歳の結衣ちゃんと32歳の俺が付き合う? でもないだろう
結衣ちゃんを抱く? なんて有り得ない
有り得ない
傍に置いておきたいのは事実。
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