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っー
横向きになった結衣の頬に一筋の涙が零れ落ちた。
「?!」
起きているのか、夢見ているのか。
「結衣ちゃん? 」
「・・・・・。」
やはり起きているようではなかった。
夢で泣かないといけないような事なんだ。
それだけは分かった。
「俺じゃダメか? 」
「俺なら泣かせたりはしない 」
篤は頬に零れた涙を優しくぬぐいながら
そう呟く。
布団をそっとかけてやり、結衣の部屋を出た。
結衣の涙を見て、慎一郎への怒りや嫉妬ではなく、
ただ結衣を抱きしめてやりたい。
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