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その後、五人は何事もなかったかのような穏やかな雰囲気のまま遊園地に向かった。 「着いたー!!」 眞智が叫ぶ。夕鶴も同じように叫ぼうとして止めた。キャラじゃない。 恢を見ると、いつもより少しはしゃいでいるような気がした。猛ははしゃぐ眞智と叉玖を眺めながら苦笑してしまっている。 「何に乗る?」 「あれ!」 嬉しそうに眞智が指差したものを見て、表情が強張った。それはスリル満点なジェットコースター。実は、自分は絶叫系が大嫌いだ。 その強張った表情を見た彼女は、一瞬だけ驚いた顔をしていた。が、すぐに笑う。 「あら、もしかして夕鶴嫌いなの?」 「……まさか」 返した声は自分でも震えてしまっていた。これでは怖いと言ってるようなものだ。 「そんな意地はらなくても。無理矢理乗せたりしないから」 「……あ、じゃあ俺もパス」 そう言って手をあげたのは恢。まさか、彼もこういうのが苦手なのかと目を見開く。 眞智は自分と彼を交互に見た後、にっこり笑いながら猛と叉玖の腕をがっしり掴む。 「さぁ、行きましょう!」 「え、ちょ、俺は……」 「行くー!!」 引きずられていく猛。彼はちらちらと夕鶴を見ていたような気がするが、気のせいだろうか。 「あいつ、お前が心配なんだろ」 首を傾げた鶴を見て、呆れたように恢が言う。心配されるような事をしただろうか。それとも猛が心配性なのか。 「いや、だからな。俺と二人でいるのが心配なんだろ」 ため息混じりにそう言われた言葉も意味が分からない。ますます首を傾げてしまった。 「なんでですか。心配するような事なんかないじゃない」 駄目だこいつ。そんな哀れむような表情をこちらに向けながら、恢はため息を付いた。
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