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遊んであげたいと思うのだが、叉玖が選ぶものはほとんど絶叫だ。自分の乗れるものを選んでくれたらいいのに。 「叉玖、私が一緒に行ってあげるわ」 「お化け屋敷は、俺止めときます」 「なら俺も行く」 三人の視線が恢に向く。絶叫が苦手なのではないのかという質問に首を傾げた後、納得したように何回か頷く。 「苦手じゃねぇよ。ただ、姫だけ置いていく訳にはいかないだろ?」 遊園地は一人でいない方がいい場所だと思う。そこを考えて、彼はジェットコースターに乗らなかったようだ。 「先輩、よく気が付きますね」 眞智も驚いているらしく、目が丸くなっていた。こんなに気が付く男の人は珍しいから仕方ないが。 結局お化け屋敷には眞智と恢と叉玖で入り、猛と夕鶴はお留守番をする事になった。 ―――――――――――――― 眞智は横にいる恢を、気付かれないように見上げる。よく気が付くし、何より優しいこの青年は何が目的なのか。 夕鶴を守ると言っても彼に利点はないし、なにより関係ないはずだ。裏があるような気がして怖い。この楽しい時間が壊れそうで。 出て来るお化けを気にする事なく進んでいく。見慣れたものより人間らしいものに怯える訳がない。 叉玖に至っては、何かのコントでも見ているかのように楽しそうに笑っている。 「俺ら、お化け屋敷に向かねぇな」 「今更ですよ」 害がないのだから怖いはずがなくて。お金を払って入るのは勿体なかったかもしれない。 脅かしても驚かない彼らを見た霊達は、俯いて退散する。悪い事をしていると思ったが、仕方ないと自分に言い聞かせた。
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