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眞智と猛を見つけた時、彼らは首に縄をつけていた。まるでこの場から離れる事を許さないというように。
その縄は霊力で作り上げられたものらしい。それもかなりの力を持つ者の仕業。
「大丈夫、眞智?猛も怪我はない?」
駆け寄って縄に手を翳す。霊力の束であるから、一本一本解いていかなくてはならない。
面倒な作業ではあるが、出来ない訳ではないし自分程力があればまだ楽に解ける。
縄を解き終えて、ふと違和感を感じた。眞智から全く霊力が感じられない気がする。
「眞智。貴方程の半妖だったら、時間はかかるけど解けるはずよ?」
びくり、と肩を跳ねさせる眞智を見て気付いた。今の彼女は何かのせいで力を使えないらしい。今は徒人と同じ。
「……まぁ、いいわ。とりあえず行きましょう」
彼らは見つけた。まだ恢は来ていないが、このまま逃げる事が出来れば問題はない。
校庭は二匹の龍がうろついているから使えなかった。龍は神獣の為、あまり霊力は通用しない。
叉玖は今、言魂で隠して体育館倉庫の外に待機中だ。しかしいつ気付かれるか。
今回は明らかにこちらが不利。龍を相手にするのは、夕鶴一人では厳しい。
せめて恢がいれば。いや、恢と眞智が揃ってくれれば一番いいのだが、我が儘を言っている場合ではなかった。
夕鶴と叉玖だけでもなんとかなるが、かなり苦戦する。それだけは避けたい。叉玖が傷付くのは見たくないから。
「気付かれないようにね。面倒な事になる」
「はい」
「……分かったわ」
眞智からの返事はどこか暗い。それに気付いていながら、夕鶴は気付かないふりをした。
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