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外に出て叉玖を呼ぶ。巨大な姿をしている彼を前に、猛が息を呑んだのが分かった。 「さ、叉玖?」 「そうよ。大きいでしょう?」 笑いながら言うと、猛は明らかに引き攣った笑顔を返す。眞智は見えないのか、回りを見て首を傾げた。 「……眞智、貴方右腕――」 夕鶴が何か言おうとした時。いきなり横にいた叉玖が攻撃の為に青白い炎を吐いた。 それと何かがぶつかり合う音と余波がこちらまで襲い掛かってきて、自分は目を見開く。 「何っ!?」 後ろを振り向いて言葉を失う。そこにいる二匹の龍を見て、唇を噛み締めた。見つかったらしい。 叉玖は姿勢を低くして威嚇している。龍の方は二匹とも、様子を見ているようだ。 「……猛、眞智。貴方達は先に行きなさい」 「え?」 猛の戸惑う気配が伝わってくるが、眞智からの返事はない。彼女はきっと悩んでいる。役立たずだと、再び壁が出来たのだと。 しかしそれは違う。側にいるだけで強くなれる。彼女に力がなくても、十分必要としているのに。 伝えたいけど伝えない。そういうのは、人に言われて気付くものではないと思う。 分かってほしい。眞智を突き放すのは大切だから。怪我をして欲しくないからなのだと。 「早く!」 「眞智さん、行こう!」 自分の叫びに反応して、猛が踵を返す。しかし中々動かない眞智に気付いたのか、彼女の腕を掴む。 しかし、相変わらずその場から動こうとはしない。それどころか、彼女はその手を振り払った。 「……行かない」 「何言ってるの、眞智。貴方は邪魔になるわ」 これくらい言わないと動かないと思ったが。傷付いたように瞳を揺らし、しかしすぐ決意を秘めた瞳に戻る。
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