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庇われたのか。この青年は、攻撃してきた夕鶴を庇ったのだろうか。
「……なんで」
「さぁ。あ、今日の放課後に生徒会室に来てくれる?俺は二年一組、大野 光輝(おおの こうき)。よろしく」
言いたい事だけ言って、教室を出ていく光輝。自分はただ唖然とそれを見送った。
「変な人」
「まさか、助けてくれるなんてね」
夕鶴の呟きに眞智も呟きで答える。何はともあれ彼のお陰で助かったのだ、今回は感謝しよう。
「眞智、一緒に食堂行きましょうか」
一応この学校には食堂があるが、自分達はまだ使った事がない。安くて美味しいらしいが事実だろうか。
「いいわね、一緒に行きましょうか」
彼女はあまり食べない人だ。手元にあるパンだけで十分だろうに、付き合ってくれる。
二人で食堂に行って、オムライスを選ぶ。眞智が飲み物を買いに行っている間、一人でそれを食べていた。
「綺麗なお嬢さん。相席いいですか?」
問い掛けられて顔を上げると、目の前にはキラキラと光り輝く金髪の青年が居る。
その青年が見ているのは自分だという事に気付いて、面倒そうな表情のまま頷いた。
「ありがとう。もう一人来るんですが」
「あぁ、こっちもそうですし」
完全に興味がないというような夕鶴の態度を見ていた青年が何故か苦笑している。
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