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「え、なんで?」 「逆になんで貴方なんかと付き合わなくてはいけないんですか?」 付き合うとかそういうの、今は全く興味がない。それに何故知らない人と付き合わなくてはいけないのか。 「珍しい。俺と付き合ったら回りに自慢出来るのに」 「自慢する気もありません」 光輝が何か言う度に、ばっさりと切り捨てていく。さばさばしているのは生れつきの性格だ。 大きくため息を付くと、夕鶴はもう付き合っていられないのでため息をつきながら首を振る。 「馬鹿らしい。そんな事で呼ばれたなら帰ります」 「待って」 自分を呼び止めて、彼は一瞬だけ悩むように視線をさ迷わせた。だがすぐにこちらに向けられる。 「俺は霊力が欲しい。強い霊力を持ってる人の側にいたら、開花するんだろ?」 馬鹿馬鹿しい。もはやため息さえも出てこないようなくだらない理由だった。 霊力を持ちたいという馬鹿は結構いる。だがそれは何も知らないから言える事。持ったら確実に後悔するだろう。 「持ちたいなら他を当たってください。私は嫌です」 早くここを出たい。この部屋は空気が澱んでいる。何か嫌な予感がするのだ。嫌なものが眠っているような、そんな予感が。 「早く帰らしてください」 「……そうか、君を落とせばいいんだね」 「はぁ?」 何が言いたいのか分からない夕鶴に、笑いかけてくる。王子様というあだ名も頷ける笑顔だ。
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