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自分の存在を無視して睨み合う光輝と恢。そんな彼らの間に挟まれた夕鶴は今、最高に居心地が悪い。 「あのー」 「大体、君は夕鶴ちゃんの何?なんでそんなに馴れ馴れしいんだい?」 「そっくりそのまま返してやるよ。俺は姫の守り人なんだから、側にいて当たり前だろうが」 「守り人?なんだいそれ、馬鹿馬鹿しい」 あぁ、ますます酷くなっていく。こういう時に眞智が居てくれたらよかった。 ため息を付く自分の肩に現れた叉玖が、慰めるように小さな声で鳴く。 「ありがとう。全く、喧嘩なんて子供よね。〈止めなさい〉」 ぴたりと二人の舌戦が止む。止むというより、言魂を使って強制的に終わらせたのだが。 「私、煩いのって嫌いなんです。黙ってくれませんか?」 笑っているのに目が笑ってない。これ以上騒がしくしたら潰すと、目で二人に語っていた。 夕鶴はそのまま言魂を解いてくれたが、二人とも流石に言い争う事はない。 「よし。じゃあ私は帰ります」 「姫、送ってやる」 「夕鶴ちゃん、俺が送るよ!」 再び睨み合う二人。夕鶴を送るというより、相手に負けたくないから言ったような台詞だ。 まぁ、お互い自分を好きという訳ではないから仕方ない。それでもため息が漏れてしまう。
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