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一緒に校舎へ足を踏み入れる。その瞬間、夕鶴は顔をしかめて眞智は叫びそうになっていた。
校舎の中には、何の形をしているのか理解出来ないものがそこら辺に浮いていたのだ。
夕鶴に着いている浮遊霊が恐れて逃げ出し、叉玖は姿勢を低くして威嚇の体制。
襲い掛かってくる事はないこの霊達は、元浮遊霊。人の念や思いに触れすぎて、自分の何もかもを忘れた成れの果て。
こるは何もしてこない。自分が忘れてしまったものを探す事もせず、ただそこにある。
自分の中にある知識はそう教えているのに、これらは自分達を見た瞬間に襲って来た。
「夕鶴!!」
「〈拒め〉!」
すぐに言魂が発生し、襲って来た彼らを不可侵の壁がこちらに来る事を拒む。
だがそれ以上深追いは出来ない。回りに沢山の生徒がいて、叫んだ夕鶴達を不思議そうに見ている。
「どうしよう?」
「……一限目、サボれるっけ?」
「無理。数学だもの」
舌打ちをして、自分はゆっくり言葉を紡ぐ。このままでは襲われるだろうから結界を張る事にした。
柏手が校舎に響き渡る。その瞬間、眞智と自分は半透明な結界に覆われた。
「これで我慢ね。手出しは出来ないわ」
自分の作り上げた不可侵の壁を解除する。だがしかし、霊達は襲って来ない。
この結界は、触れただけで下級霊を消してしまえる代物だ。それに好き好んで触れる馬鹿はどこにいるのか。
襲われる心配はなくなったので教室に入る。相変わらず、教室の中にも成れの果てはうごめいていた。
「夕鶴、これは何?」
眞智に聞かれたので、簡単に説明してやる。本来は人を襲わないという事も混ぜて。
案の定、彼女は回りの霊を見回して目を真ん丸にしていた。
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