それは闇を切り裂く剣か、

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「エレーディア!」  アシェックはすでに足取りのしっかりした弟、エレーディアを呼び止めた。  5年の月日が流れ、アシェックは上流学院に入り騎士となるために勉強中の身となっていた。 「お誕生日おめでとう!」 「……ありがとうございます」  エレーディアはにこりともせず返す。  アシェックは苦笑いを浮かべてエレーディアの持つ長剣に目をやった。  まだ幼い彼に合わせた、アシェックからしてみれば短すぎる木刀。この頃エレーディアはすでに木刀に触れ、剣技を学んでいるようで。  目線をそらして、慌てて手に持っていた「誕生日プレゼント」を手渡す。 「これは?」 「お祝いの品ってやつだよ。俺からエレーディアに」 「どうも……ありがとうございます、アシェック兄様」  わずかに表情が軽くなったのを見て、アシェックは笑みを浮かべる。  時計をちらりと見てあわて出す。 「あああ! もう行かなくちゃ! エレーディア、また夜にね!」 「いってらっしゃい、アシェック兄様」  適当に頷いて走り出すアシェック。残されたエレーディアは手の中のピンプローチを大事そうにポケットに忍ばせた。
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