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エレーディアは剣技が上手いわけではない。とりわけ、長剣は苦手だった。
運動神経は5歳ながらに悪くなく、簡単な格闘技はすぐに覚えられたし、かけっこは早かった。
それに加え、計算式は苦手であった。ただ記憶力は良かったので歴史は成績が良い。
彼は実に真面目だった。おそらくは兄たちの姿を見てこうあるべきだと考えたのだろう。
「ふぅ……」
ただ、エレーディアのその姿は真面目すぎた。
「……どうして、うまくいかないんだろう」
庭にある小さな噴水のそばに腰掛けて、木刀を抱えた。
上手く振り回せない、相手の攻撃は読めるのにこっちの攻撃は当たらない。
これじゃあ騎士にはなれないと、エレーディアは考えた。
「五歳」
「産まれてから五年」
「まだ、足りない」
そう、まだ足りない。年月が、何かがーー
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