11人が本棚に入れています
本棚に追加
盛大なエレーディアの誕生パーティーが終わった頃、両親から呼び出しを受ける。
窮屈な正装のまま両親の元に行けば、一番兄・ケネウスもそこにいた。
母親は泣いている。父親は恐い顔をしている。
ケネウスも厳しい顔つきだった。
「エレーディア、よくお聞き」
ケネウスは語り出す。
「長女、エフィニアは明日ノイアールへ仕事に出る」
「次男、シエルロイツは同じく明日宮殿へ住み込みの官吏となる」
「次女、シェルティーゼは明後日リドルギアへ留学に出る」
「三男、アシェックは兵舎での住み込みは前からだ」
ケネウスは悲しげに顔を歪めてエレーディアの頭を撫でる。
「父上も母上も、お忙しい身。私も兵舎で過ごさねばならない。ーー意味は、わかるかな」
エレーディアはなにもいわず、首を振った。
自分一人残されること以外、何もわからない。
「私の知り合いたる人物に預けることにした」
最初のコメントを投稿しよう!