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「は?」
「えれーであって言い辛いから、フロムって呼ぶ!」
いこ! と元気よく駆け出す。ショコラという少女は時折振り返って手招きをしていた。
エレーディアは息をこぼして、彼女を追った。
ショコラはエレーディアとは違って元気いっぱいの少女だった。
なにがなくてもエレーディアに話しかけ、笑いかけた。
「フロム、フロム!」
「……なぁに、ショコラ」
「あれってなあに?」
「鐘だよ。時間を知らせるんだ」
ゴーン、ゴーンとタイミングよく鐘が鳴り響く。
ショコラはそれをみてはしゃいだ。
「フロムってものしりね!」
「……そうでもないよ」
ショコラの言葉に切り返す。エレーディアは空を見て、ショコラに言った。
「鐘が17回なっちゃったよ。外も暗いし、帰ろう」
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