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「僕が助けに行くから。鐘が18回なっても帰ってこなかったら院長に伝えて」
立ち上がって、走り出した。ロシュの声が後ろからかけられるが、エレーディアはただ走る。
森は暗かった。エレーディアは道筋に長剣であとを付けながら走って、広場らしき場所に出た。
がるるる、という唸り声が聞こえて足を止めた。
長剣を振り払い、構えた。
「っ!」
「ぐぁ!」
一匹だけオオカミが襲いかかる。エレーディアは大きく振りかぶった。
それは簡単に避けられてしまい、爪が迫る。
前転することでその爪を避け、振り返る時に長剣を横なぎにふった。
偶然に当たり、きゃんとないてオオカミが逃げていく。
エレーディアはため息を吐いて、再び走り出した。
「ショコラ! ミミ!」
以前、シロガネソウをエレーディアが見つけた場所に駆け込む。
二人の影を見つけて、ふっと笑いかけた。
「見つけたゼ」
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