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「エレーディア兄ちゃん!」
「フロム、どうしたの?」
シロガネソウを楽しそうに抱えている二人を見て、エレーディアは眉を少し潜めた。
それから笑顔に戻って手を伸ばす。
「ロシュが心配していたから」
「あぁ、そんなに時間かかっちゃったの?」
「ね、帰ろう」
うん、と頷いたショコラの伸ばした手をつかんで引っ張り上げた。
カサリと花が落ちて。
ふわ、と風が吹いた。
「きゃっ!」
「っ!」
がるるるっ!
いくつもの唸り声。それがエレーディアたちを囲んでいた。
「……シロガネソウは、オオカミたちの栄養剤だからね。きれいだけど採っちゃダメだって」
エレーディアは長剣を構えていた。
「教えたじゃんか、ショコラ」
たんと足を踏み、飛び出した。
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