魔工

13/13
前へ
/279ページ
次へ
「カイム。我は疲れた!寝る!」 そう言うと俯けになり、寝息を立て始めた。 「鎧。キツくないのかな?」 思ったことが口に出る。アッシュは鎧を着たまま寝ている。 「僕の寝る場所が無い」 唯一のベッドをアッシュに占領されたので、寝場所が無くなってしまった。 俯けのアッシュに毛布をかけ、ソファに寝転がるカイム。 「王様……か」 ベッドで寝ている青年は自分のことを王と名乗った。しかし、アッシュという名の王は聞いたことが無い。しかも、ブナパルトとはグランキーマとエルナンドの境の無国境地帯の古称である。 (アッシュ・セリウス・ミストレイ・ブナパルト。明日、歴史書で調べよう) カイムは1人決意すると瞳を閉じた。  
/279ページ

最初のコメントを投稿しよう!

994人が本棚に入れています
本棚に追加