第1話

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「あ~れ?その女、なに?誰? お前らの友達ー?」 「ちげーよ。さっき声かけたの。ヒマそうにしてたからさー。 な、これから俺たちとカラオケに行くんだよなー?」 「え、あ、あの、違・・・ッ」 ああもうどうしようっ 私ももっとハッキリ言えばいいのに! 私はますますテンパり、冷や汗がダラダラと額からふきでる。 唇もうまく動いてくれない。ただ怖い。 自分が相手の思い通りに動かなかった時、どうなるかを考えると足がすくむ。 相手の言うことにうまく合わせれなきゃ、必ず理不尽な制裁がくるんだ。 そんなことは、森崎さんたちの件で、嫌っていうほど思い知らされた。 すると・・・ 「いやいやお前らな~・・・この女、どう見ても嫌がってんじゃん。」 金髪の男は、呆れたように、ため息交じりで口を開いた。 それを聞いて、他の男たちは反論する。 「はぁー?何でだよ。 別にこの子は一言も、嫌がるセリフ言ってねーだろ?」 「そうだぜー。それに結局、こうやって大人しくついてきてるし。」 金髪の男は、メンドクサそうに頭を掻くと、私たちの方に歩いてき、 私の腕を掴む男の手を、引きはがした。 「馬鹿かーお前ら!この女の表情見れば分かんだろ。明らかに嫌がってんじゃんよ。 それにな、世の中には嫌なこと『嫌!』ってハッキリ言えない奴もいるんだよ。世の広さを知れ、貴様ら!」 そして金髪の男は、私の顔から腕、膝、爪先まで、ジっと見つめると・・・ 「しかもまだ中坊じゃん。これ俺たちの下の中学の制服だろ? 俺はこんなガキよりも、もっとおっとな~💓のお姉さんとラブィことしてーわ! っつーことで、さっさと別の女ナンパに行くか♪」 そう言って、くるっと踵を返した。
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