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「あ~れ?その女、なに?誰?
お前らの友達ー?」
「ちげーよ。さっき声かけたの。ヒマそうにしてたからさー。
な、これから俺たちとカラオケに行くんだよなー?」
「え、あ、あの、違・・・ッ」
ああもうどうしようっ
私ももっとハッキリ言えばいいのに!
私はますますテンパり、冷や汗がダラダラと額からふきでる。
唇もうまく動いてくれない。ただ怖い。
自分が相手の思い通りに動かなかった時、どうなるかを考えると足がすくむ。
相手の言うことにうまく合わせれなきゃ、必ず理不尽な制裁がくるんだ。
そんなことは、森崎さんたちの件で、嫌っていうほど思い知らされた。
すると・・・
「いやいやお前らな~・・・この女、どう見ても嫌がってんじゃん。」
金髪の男は、呆れたように、ため息交じりで口を開いた。
それを聞いて、他の男たちは反論する。
「はぁー?何でだよ。
別にこの子は一言も、嫌がるセリフ言ってねーだろ?」
「そうだぜー。それに結局、こうやって大人しくついてきてるし。」
金髪の男は、メンドクサそうに頭を掻くと、私たちの方に歩いてき、
私の腕を掴む男の手を、引きはがした。
「馬鹿かーお前ら!この女の表情見れば分かんだろ。明らかに嫌がってんじゃんよ。
それにな、世の中には嫌なこと『嫌!』ってハッキリ言えない奴もいるんだよ。世の広さを知れ、貴様ら!」
そして金髪の男は、私の顔から腕、膝、爪先まで、ジっと見つめると・・・
「しかもまだ中坊じゃん。これ俺たちの下の中学の制服だろ?
俺はこんなガキよりも、もっとおっとな~💓のお姉さんとラブィことしてーわ!
っつーことで、さっさと別の女ナンパに行くか♪」
そう言って、くるっと踵を返した。
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