第1話

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だけどそんな私を尻目に、 金髪の男は「よっこらせー♪」と、相変わらず歌うようにそう漏らすと、地べたにドカっと座った。 そして、ポンポン、と地面をたたき、 「はい♪君も君も。」 と、私にも座るように促す。 この人、今は笑ってるけど・・・ 言うこと聞かなかったら、いつキレ出すかも分かんないし、言うとおりにした方がいいよね? それにこの人の友達も言ってたけど・・・かなりの気分屋らしいし、 機嫌を損なわせてしまったら、どんな乱暴なことをされるか分かったもんじゃない。 何よりも私は・・・ 人がイラついている表情を見るのが、一番苦手だ。 結局私は、彼と少し距離を空けたところに、腰を下ろした。 すると、金髪の男は可笑しそうに笑った。 そして体勢を少し変えて、私と向き合うように座り直す。 男のその行動を見て、更に身体の部位すべての筋肉を強張らせる私。 「べっつにそんな警戒しなくても、手ぇ出す気はないんだけどなー。 ところでさぁ、名前なんてーの? 俺はね、壕地和也☆ゴッチでいーぜ♪以後☆お見知りおきを♪」 「・・・柏木、です。」 私は俯いたままで、たどたどしく返事をする。 恐怖心から、この人の顔をまともに見れない。 私に一目惚れしたとか適当なこと言ってたけど・・・ “普通の中の普通”がピッタリな私の顔レベルで、そんなことやっぱり有り得ない。 それにチャラそうだし、普通にカッコイイ顔してるし・・・。
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