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すると、江口さんは私の髪を更に上に引き上げ、匂いを嗅ぐようにおおげさに鼻をヒクヒクとさせた。
「あ~・・・ヒナ、やっぱダメだ、コイツまだ臭いわ。
便器並みの臭さだね。」
江口さんの言葉に、渡邊さんも私の髪に鼻を近寄らせる。
「マジだ!くっせーコイツ!
水じゃダメみたいね~。匂いとれやしないわ。
なあ柏木、アンタちゃんと風呂入ってんの?マジくっさいんだけど!」
・・・入ってるよ。当たり前じゃん・・・。
でも怖くて、反論することなんてできない。
だから私はただ黙って俯いていた。
早く終われ。終われ。終われ。
ただソレだけを願って、ひたすら私は俯く。
何か反論すれば、この苦痛の時間が長引くだけ。
ココで泣いたりしても、森崎さんたちが更に面白がるだけ。
感情を殺して、殺したフリして、ただ人形のようにしているのが一番なんだ。
そうやって、あとは彼女たちが、私をイジメるのを飽きるのをひたすら待てばいい。
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