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真夜中の新東京市。
高層ビル群の立ち並ぶ一角で御堂達樹は相棒であり、自分の体を宿体として存在している稀代の大陰陽師、安倍晴明と共に何かを捜している。
「セイ、いた?」
『ここにはいないみたいだね』
「ったく、どこに逃げやがったんだ?」
舌打ちをして達樹は母親譲りの整った顔をしかめる。
『達樹が油断なんかするから』
「……悪かったね」
達樹は隣に立つセイの綺麗な顔を睨みながら答える。その睨みをセイは涼しい顔で流す。
「セイ、向こうの方を捜してみるか」
『そうだね』
二人は達樹の指し示す方へと駆けていく。
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