ツンデレがデレになる頃に

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でもなんだかんだで仲が良いのかもしれないと思う。喧嘩するほど仲が良いっていうしな。 ―――――――――1時間後 なんだかんだ一悶着あってラフ画は一通り描けた。 ………でもなんか違うんだよなぁ。こいつのイメージじゃないんだよ。もしかしてこいつ緊張してるのか? 「お前さもしかして緊張してない?」 俺がそう聞くととても分かりやすい返事が返ってきた。 「は、はぁぁぁっ!?あ、あたしがあんたにずっとみ、見つめられて緊張すると思ってんの!?」 はい、分かりやすい解答ありがとうございます 「別に普段通りで良いんだけど」 「だ、だから緊張してないって!!」 「本当か?」俺はじーっと七海を見つめる。 「う…………そりゃぁ、普段と違って凄い真剣でカッコいいし今二人っきりだしあのホルスタイン女もいないしちょっとは………ゴニョゴニョ」 なんか人差し指と人差し指を合わせてブツブツ言ってる。 「なんだって?」 「うるさいっバカ!!!!もう今日はここまで!!!帰るわよ」顔を真っ赤にして鞄を手に取り立ち上がる七海。 「ちょ、まだラフしか『いいから支度する!!!!!!』」 こうして七海の強制帰宅イベント発動により帰り支度を済まして今は二人で帰路を辿っている。 「ねぇ、あんたはさ私とあのホルスタイン女どっちが描きやすかった?」 七海が不意に聞いてきた。 「ホルスタイン女って………お前失礼過ぎだろ」 「うるさいわね!ホルスタイン女はホルスタイン女よ!!良いから答えなさい!」 「お前と比野先輩かぁ………」 俺は考える。どっちが描きやすかったか…まあ、先輩の方が描きやすい。七海と違って文句は言わないし終始笑顔だし。 「先輩の方が描きやすいかな」 俺は正直に答えた。 「っ!!………そっか」 急に七海は落ち込んでしまった。まるでサンタがクリスマスにプレゼントを全部無くしたが如く。 シュン、という擬音語が聞こえてきそうなほどに落ち込んでいる。 「急にどうしたよ?」 「うるさいわねっ!!ほっといてよ!!」 七海の顔を見て俺はびっくりした。目に涙を浮かべていたからだ。 「お、お前どうしたんだよ、急に?泣いてんのか?」 「泣いてないもんっ!!!!!」
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