ツンデレがデレになる頃に

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「描きたいって思うのはお前なんだよ」 「えっ……」七海の涙が止まる。 「確かに先輩は描きやすいけど何か違うんだ。俺が描きたいって思うのは先輩より七海なんだよ」 「………」さっきの泣き顔とは裏腹に頬を朱くする七海。 「先輩のイメージが月光花ならお前は向日葵だよ。いつも元気でどんな事があっても真っ直ぐに太陽に向かっていく向日葵………それが俺の七海のイメージなんだ」 「うっ………ぁっ」七海の頬が真っ赤になってきた。きっと俺も真っ赤に違いない………こんな恥ずかしい事真面目に言ってんだから。 「それに俺は月光花と向日葵なら向日葵の方が好きだしな」 「っ!!!!!!!」七海が目を見開いて俺を見る。…………これで完璧機嫌治したろ。 「じゃあ、帰ろーぜ七海。泣かせた罰に帰りアイス奢ってやっからさ」 俺はベンチから立ち上がり七海に笑った。 ………………あれ?七海の様子がおかしい。顔が俯いてるし何だか小刻みに震えてる。 ヤバい!恥ずかしいセリフ言い過ぎて逆効果か!? 「な、七海さん?」おそるおそる声をかけた瞬間俺の世界は逆転した。 『もうムリ―――――――ッ!!!!!!!!』 ………あ、ありのままに起こった事を話すぜ。七海が急に叫んだと思ったら、俺に向かってアメフトの選手のようなタックルをかましてきやがった。 しかも、何故だか首に抱き付いて猫が甘えるように頬を寄せていやがる…。 超能力とか超スピードとかじゃない……もっと恐ろしいモノの片鱗を味わったぜ ―――――ってな、七海さ―――んっ!!? 何をしてらっしゃるんですかぁ――!?
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