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容姿は美人。俺にはそれ以上の言葉が思い付かない。街で歩いていれば十人中九人は振り返るって言えば分かるよな?
十人中全員ではないのは特殊な性癖の方々がいるからである。
まあ、そんな人が俺にどう関係してくるかというと端的に言えば家がお隣さんの近所のお姉さんなのだ。
そして家族ぐるみの付き合いをしてたから必然的に俺との付き合いも出来てくる。
小さい時俺はいじめられっ子だった。そんな俺を助けてくれたのはいつも彼女だった。
この高校に入ったのも悠未姉さんがこの高校を進めてくれて、つきっきりで勉強を教えてくれたからなのだ。
お陰で悠未姉さんには昔から頭が上がらない。
しかも高校に入ってからも悠未姉さんは俺の面倒を見ようとする。
それが白臼には許せないのだ。何故なら端から見て分かる程に白臼は悠未姉さんに好意を寄せている。白臼は悠未姉さんに自分がいるテニス部と生徒会に入るように何度もしつこく誘ったのだが、悠未姉さんはそれを全部断ってたのだ。
断っている理由が俺に関係していると思って俺に突っかかってくるのだ。
勘違いも甚だしい。
「だから君は――――」
本当にうるせーなぁ………こいつ。
さっきから延々と一人で嫌味を言っている。いい加減うっとおしくなってきた。
気付くと自分の拳がポケットの中で握られてる事に驚く。
―――――そうだな
「君みたいな奴がいるからこの学校の品格が下がるのさ」
―――――殴って謹慎なら
「大体、悠未さんが生徒会に入らないのもテニス部のマネージャーになってくれないのも君が無理に何か言ってるんだろう?」
―――――不良らしいな
俺はあいつに近づいて殴ろうと歩みよるが腕にかかる柔らかな感触がそれを止めた。
「どうしたのかな?かずくん」
そこには俺の腕に自分の腕を絡めている悠未姉さんがいた。
「ゆ、悠未さん!?」焦った口調で悠未姉さんに詰め寄る白臼。
「い、いや今日は風邪が酷いから休むって聞いてたんだけど………風邪治ったのかい?」
「ねぇ、かずくんみんなに囲まれてどうかしたのかな?」
白臼を完璧なまでにシカトして話かけてくる。めげずに話かける白臼だが………
「体調が大丈夫なら悠未さん今からでも僕と踊ってくれ『少し黙って』」
バッサリと白臼を一刀両断した。
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