序章:=白の降る街=

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 ただでさえ白かった空が、もっと白く変わりつつあった。  白いキャンバスに、白が張り付く。 「白に白を塗ったら、何になるのかな」 「汚れた白だろ。白と白を塗り合わせた、その瞬間から白は混ざり合うから純白とはいえないだろ」 「なるほど。じゃあ次の作品は、白に白を塗る事にするよ」 「オレからも一ついいか?」 「いいよ」  僕は画材をしまいながら、呀梛の方を今日初めて向いた。 「人は何で暴れたがるんだ?」 「人は暴れる存在だからだよ」 「なるほど」  
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