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「な、な、何ですか、それ!?」
ずばり言い当てられた為に、必要以上に吃り、これじゃあ正解ですって言ってるような状態じゃない!!
そんな私の慌てっぷりを見て、先生は、すました顔で、口角を少しあげ、
「遅いから、気をつけて帰りなさい」
私の頭をポンポンと軽く叩いて、職員室へ入って行った。
その一連の自然な動作がやけに大人っぽくて、心臓わしづかみされたかのよう。
こういうの好きだなぁ。
それに、高校生にありがちな甘い香水の匂いじゃなくて、多分、私の好きな大人っぽいBVLGARIの香水じゃないかなぁ。
靴に履きかえ校門に向かってもなお、先生の事が気になった。
この時、自分でも予感がしたんだ。
この先、先生の事を好きになるかもしれない。
でもそれは、片思いになるかもって。
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