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「…隆哉…好き」
「ん。俺もだよ」
別に盗み聞きしたわけじゃないし、無理に近づいて覗いたわけじゃない。
なのに、聞こえてくるその名前と、懐かしい男の声。
何で他校に行った隆哉が、いくら隆哉の家の近くだからって言っても、この時間にここにいるのだろう。
裏切られてから一年も経つ。
それなのに、何でこんなにも、痛いんだろう。
気がついたら、立ち尽くし、冷たいものが頬を伝っていた。
私は、まだ忘れていないんだ。
恋するのは、まだ無理かもしれない。
そう思ってただ呆然としていると、左腕を誰かに引っ張られ、隆哉たちから離れ反対側の草場の方に連れていかれた。
既に、キャパオーバーになっていたので、抵抗することもなく連れていかれた。
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