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甘く色っぽく囁かれ、我慢していた涙がとめどもなく流れ落ち鳴咽が漏れる。
その間も、優しく髪を撫でられ、相手が教師だということも、男だということも忘れ、身を委ねていた。
漸く涙が止まり、落ち着きを取り戻すと、
「送ってやる、帰るぞ」
そう言って、さっさと、公園の出口へ向かう。
え!?何!?
私の泣いていた理由も聞かない。
家の場所も聞かない。
第一、いくら遅くなったからって教師と生徒が誤解をまねくような行動するわけがわからない。
ってかキスしてきたことに対する言い分すら聞いてない。
なのに、どんどん、公園の出口に向かって歩く先生の後ろ姿。
見慣れた体育教師のジャージではなくスーツを着ている後ろ姿。
思わず、息を飲んで見入ってしまっていた。
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