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先生にとっては、単なる慰めかもしれない。
危ないのに遅い時間に、あそこに留まったことへの戒めかもしれない。
それとも、ただの気まぐれかもしれない。
でも経験の差と言えばそれまでだが、今まで付き合った彼氏よりなによりキスが上手く翻弄され、もう一度キスされたいなんて、有り得もしないことを、考えていた。
後ろ姿を見ながら、そんなことを考えていると、本当に、家を知っていたようで、いつの間にか、家の前に着いていた。
先生は、一旦、足を止めたが少しも振り返ることなく、去り際にさりげなく、左手をあげ、後ろにヒラヒラさせながら、さっさと去っていった。
その動きが、スマートで大人でかっこよく見え、暫く、その場にとどまり、ぼんやりと後ろ姿を眺めていた。
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