新緑のニオイ~情事~

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「何、言ってるっスか?俺が言ったから、メイク変えたっしょ。照れなくてもいいっすよ。スゲー似合いますよ、先輩。」 思わず、眉間に深く縦皺を刻み、口が開く。 「あのねぇ、何でも自分の都合のいいように解釈しないで。あんたに言われたからじゃない。いろいろこっちにも事情があんの!」 「またまたぁ、いいですって、照れなくても。先輩なら、俺、いつでも大歓迎っスから、予定も断りますから、声かけて下さいね。…じゃあ」 そう言って、私の手を勝手に掴み、自分の口に持っていき、軽く、チュッ……キスをした。 その後、私の髪の毛をクシュクシュと撫で、去り際に、まわりから聞こえないよう耳元で囁く。 「次は、口にしますから」 無駄なフェロモンを朝から浴び、ぐったりしながら教室に向かった。
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