新緑のニオイ~情事~

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「そうだね、秀也」 そして、やっとカーテンは、閉められた。 まずくないか、此処にこのまま居るのは。 でも、出ていける状況でもない。 いっそ、ほんとに寝てしまいたい。 隣のベットからは、舌と舌の絡み合う音が聞こえはじめ、その後、女の子の口から、吐息と甘い声が漏れる。 徐々に大きくなる声に混じって、卑猥な音や、ベットの軋む音が聞こえる。 「…んッ…秀…也…あッ…す…き」 「クスッ、俺もだよ」 熱い二人の声がしてベットの軋む音が更に増したような気がした。 でも、私の心は、人さまの情事を聞いてしまった羞恥心も、隣の二人に、起きているとバレる不安もぶっ飛ばし、先日の公園での元カレと女の子の甘い声を、思い出し異次元にいた。
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