新緑のニオイ~トラウマ~

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「…ぁ…あ………ゴメンなさい」 小さな声で、先輩は、いつもの元気など微塵もない。 「横、座っても、いいっスか?」 聞くと、小さく頷いたので、となりに座る。 「あの……何かあったっスか?話したくないなら聞かないっスけど、言って楽になるなら、俺、聞きますよ。俺が原因っスか?」 「……………」 反応がない。 ……仕方ないか。 保健の先生を呼びに行こうと、立ち上がりドアをあけようとした。 「あんたのせいじゃない。でも、あんた達のエッチと、その時のセリフが耳に入ってきたら、蘇ってきた」 俺は、足を止め、先輩の方に向き直る。 「あれは、私が、まだ一年に成り立ての入学式のこと。」
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