新緑のニオイ~トラウマ~

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先輩は、首を横に振り、抱きしめていた俺を振りほどき話を続けてきた。 「この前、あんたに出会った日、帰りに偶然、公園でいちゃつく隆哉の声聞いて、そのセリフとさっきのあんた達のセリフがリンクしてさ。 ……頭おかしくなったみたい。 だから、軽く誰とでもヤっちゃう奴、ベットの上で好きでもないのに好きと言う奴が信じられないし嫌い。 裏門から来ないのも、公園の前、通る勇気がないからなの」 『わかったでしょ、あんたに突っ掛かる訳』と話はじめてから、始めて目を合わせた。 俺が女で傷ついたように、先輩も男に傷つけられていた。 俺の噂を、誰かに聞いて知っていたとしたら、俺の好き放題ヤりたい放題の行動は、嫌悪いがい何物でもない。
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