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俺がどんな言葉をかけても靡かない、気丈な先輩だと思っていたが、実際は不意に聞いた声によって、そこを通れなくなる程、繊細な先輩だった。
自分のしてきた事を否定は出来ないが、信じてもらおうとも信じられないだろうが、先輩の心の闇、トラウマから救ってあげたいと思った。
「先輩、ただでさえ傷ついていたのに、俺が、傷を深くしてすいません。」
先輩の前に立ち、頭を下げた。
「俺、先輩に元気になって欲しいっス。先輩を救いたいです。簡単に俺なんか信用出来ないのわかってますけど…。話してくれて嬉しかったっス。
あの、先輩、俺の話も少し聞いてくれませんか?」
俺は、意を決して、先輩に尋ねた。
先輩は、苦笑しながらも、頷いてくれた。
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