春の嵐~出会い~

6/10
15925人が本棚に入れています
本棚に追加
/227ページ
「あっ!せーんぱいっ!」 追い越せなかった。 腕を掴まれ、必然的に振り返ってしまった。 「何?」 視線が絡まった。しかも、覗き込むようにしてるからめちゃくちゃ近い。 間近で見る整った顔に、意識せずとも、見惚れてしまった。 このフェロモン、半端ない。おまけに、甘い香水の匂いもする。 「……何?見すぎでしょ」 そう言って、僅かに口元を緩めて微笑んでいる。 ヤバイ!不覚にも心臓が、バクバク反応してしまった。 むかつく奴だったのに、この顔は、マジでヤバイ! イライラも何処へやら。 「先輩、もし早く起きても、メイクに時間かけちゃダメですよ。先輩は、ナチュラルかすっぴんのが、似合いますよ」 ―――チュッ 不意打ちで、頬に軽くキスされた。
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!