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男に連れられ部屋を出て村長がいる場所に向かった。
「なぁ、あの森みたいなのなんだ?」
と怪しげな森に指を指した。
「あれはモガの森って言って色んな素材が取れる」
「後で言っても良い!?」
「いや…今は立ち入り禁止だ」
「な…何でだよ!?」
「色々あってな…ほれ、あれが村長だ」
と男は言ってのんきに釣りを楽しんでいる老人を指を指した。
すると男は口を大きく開けて、
「親父~~~!!」
と叫んだ。すると老人が振り向き手を振ってきた。
「お…親父!?」
意外だった。アルファは目をキョトンとさせて村長の息子を見た。
「紹介しよう。俺の親父。ここの村長だ」
村長の息子の話しなどアルファは聞かず、村長の釣った魚、ハレツアロワナに驚いている。
驚いている間に村長が近づいて来た。
「よう遠いところから来てくれたのぉ。ワシがモガの村の村長じゃ。お主の名は確か……う~む」
「ア…」
「アルファ君じゃったな」
嬉しかった。自分の名前を家族以外に覚えていてくれたからだ。
「へぇ~お前、アルファって言うんだ~へぇ~じゃあニックネームはaだな」
「はぁ!?ふざけんな!」
殴りかかろうとしたアルファを村長が止めた。痩せ細っている腕にはとてつもない力がこもっていた。
すると、村長が追い討ちをかけるように、
「良いあだ名じゃ」
と言い微笑む。
「そ、そんなぁ~」
アルファは体制を崩して四つん這いになって落ち込んだ。
「んじゃあよろしくね。aく~ん」
「だ、黙れぇ!!」
村長は隣でのんきそうに「ほぉっほぉっほぉっ」と言って笑っている。
「それじゃあ解散とするかのぉ」
三人はそれぞれ別れ、アルファは家でごろごろし、村長の息子はモガの村の調査に出かけ、村長は再び釣りを始めた。
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