第五章 オレンジウイング

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「F-01の原型機は操縦が難しいと言われていますが、連城は大丈夫でしょうか?」 「むしろ相性が良いと私は思っているよ」 吸いきったのか、一本目を灰皿につけ二本目に日を作る。 ふわっ、と紫煙が舞う。 「連城小尉は不器用で大ざっぱで大胆な、どちらかと言えば戦闘機パイロットには向いてない操縦操作だ。F-01の原型機はスロットル操作が難しく、オーバーGしやすい。荒削りの機体だが、連城小尉にぴったりらしい」 オレンジウイングからそれぞれ若きパイロットが降りてくる。 「そろそろ行きましょう」 二本目の火を消し、10Kgほどある救命装具を片手に持ち、機体に向かった。 確かに、連城には上に行く力がある。 だが、いつかきっと、その荒削りな操縦が味方を傷付けるのではないか。 そんな予感が元スーパーエンゲージファイターの瀬戸にはしていた。
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