第六章 対決、再び

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少年のようなあどけなさの残る、かわいい喋り方だ。 こういう一面もあるんだ、こいつ。 大島は初めて気付いた。 有希はもっとクールな人間かと思っていた。 だか、彼はまだ18歳。 普通に考えれば成人してるとは言えないし、まだまだ子供だ。 「飲めよ、お前も」 その子供に私は缶チューハイを手渡す。 だが、丁重に断られた。 「僕はお酒を飲みに来たんじゃない」 「別にいいじゃないか、一本くらい」 「僕たちは国の最後の盾として訓練しているんだ。まだ気を抜くわけには…」 ガタガタ!! 有希が言い終わる前に、大島はテーブルをひっくり返し有希に覆い被さるように胸を掴んでいた。 有希は突然のことでびっくりとした表情と、なぜ大島がこのような暴挙に出たのか分からない表情をしている。 私にも分からない、なぜこうしてしまったのか。 有希は私を怒らせるようなことを一言も言っていない。 酔った勢いのせいなの…? 私は何も言えずにただ時が過ぎるのを許した。 大島は一人、誰もいない部屋で天井をあきることなく見つめている。 あきることなく、ではない。 考えることがなくて、目のやり場がないのだ。 違う。 考えることがありすぎて、何も考えられないのだ。 ひっぱたかれた頬がジンジンと痛む。 放たれた言葉が重く頭にのしかかる。
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